他校の学生との交わりから:京都光華女子大学短期大学部

2018年6月、「しゃべり場 in Koka」が京都光華女子大学構内で開催された。

「しゃべり場 in Koka」は、2018年8月に行われる「学生FDサミットin京都光華」のプレイベントという位置付けで実施された学生イベントである。

学生FD

FDとは、大学で行われているFaculty Development(ファカルティ・ディベロップメント)の略で、教育内容・方法等をはじめとする研究や研修を大学全体として、組織的に行うことである。これを学生の手で行う「学生FD」、その生みの親である元立命館大学の木野茂氏は、著書(「学生、大学教育を問う―大学を変える、学生が変える3」 2015年ナカニシヤ出版)においてそれを「授業や教育の改善に関心を持つ学生が、その改善のために主体的に取り組む活動で、大学側との連携を求めるもの」と定義している。全国各地でこの活動に取り組む学生・教職員が一堂に会し、日ごろの活動成果や課題などを報告、共有し、議論する目的で開催されるのが「学生FDサミット」である。

金沢星稜大学、大阪市立大学、島根県立大学、中京学院大学短期大学部、そして京都光華女子大学短期大学部の計5校の学生が参加した。

ホスト役を務めるのは、この春に入学したばかりの京都光華女子大学短期大学部の新入生たち。

全国から続々と参加学生が到着する中、腕章を付け緊張した面持ちで対応していた。

 

その場所での自分の役割

「しゃべり場」は、参加する学生たちが散り散りにグループに分かれ、それぞれのテーブルには各参加校の学生が1、2名ずつ、さらに1、2名の教職員が加わり各グループでテーマについて自由に意見交換する。

今回は最初に「理想の教員・学生・職員」について協議を行い、それを踏まえて「理想の大学」について話し合うという2部構成で、KJ法を用いて意見を整理して行った。

KJ法とは、ブレーンストーミングで得られた多くの情報をグループ化し、題目をつけ、図解化、文章化することで整序し、問題解決の技法や創造性の開発を目指す技法である。

 

授業での準備

「本日のしゃべり場の準備をするにあたり、学生と事前に「学食の良いところ、悪いところ」というテーマでKJ法を実際に使って練習しました。その際、「シャッフル・ディスカッション・シャッフル」という形式を用いるのですが、これは私が担当している『プレゼンテーション演習』で実践しているディスカッション形式です。」(鹿島我教授)

プレゼンテーション演習は、鹿島が担当する必修授業。様々なワークを通して人前で話すことへの苦手意識を克服し、決められた時間で自分の考えや意見をわかりやすく伝える能力の習得を目指す。就職活動の際に学生の面接におけるコミュニケーション力を向上させるという目的もあり、鹿島はこれまで様々な取り組みを行ってきた。元々は必修科目ではなかったが、受講者の就職率が高いことが明らかになり、後に必修化された。

 

技法の習得と応用から

「『プレゼンテーション演習』では、相手に対するフィードバック提供の方法も学びます。見せてもらったプレゼンや共有してくれた意見に対して、“No, but xxx”ではなく、必ず “Yes, and xxx”で応える練習を行います。日本語にすると『そうだね、こうするともっといいね』のような感じです。」(鹿島)

第1テーマでの議論が終了すると、グループはシャッフルされ、第2テーマはまた新たなグループでの議論となった。

新たな顔ぶれとなったグループで、いつしかどのテーブルにも笑顔が見え、明るい雰囲気の中滞ることなく議論が重ねられていった。

 

自らの大学をより良い場所にするために

4月に短大に入学したばかりの学生たちは、教職員のサポートを受けながらも各テーブルでファシリテーションを行った。

他学の学生に質問したり、また自ら発言するだけでもなく、メンバーにも話題を振り、膨らませて場を盛り上げる学生たち。

真剣な議論を重ねながらも、会場には笑顔があふれていた。

 

京都光華女子大学短期大学部ライフデザイン学科教授

鹿島我(かしまが)

大阪府立北野高等学校在学中、当時朝日放送で放送中だった『9年9組つるべ学級』にレギュラー出演。関西学院大学在学中に「9年9組」を構成していた新野新に師事、放送作家となる。大学卒業後は、バラエティを中心に活動するが『熱闘甲子園』の構成を機に次第にスポーツ、グルメといった得意分野を生かした番組へと方向転換。『虎バン』『ぶったま!』と阪神応援番組を担当。2006年にはクリエーターズ集団「ヌーベル工房ウェルダン」を設立。2010年4月より京都光華女子大学短期大学部ライフデザイン学科准教授として「エンターテイメント論」「漫才のコミュニケーション演習」などの授業を開講。2017年4月、同短大の教授。